心がどんなダメージを受けても
立ち直るためのコツとか、

無意識に自分を責めてしまっている人に
こんなメンタルのコントロールの仕方が
あるんだよーということを伝えたくて、

この記事を書いてます。

むかしの僕のメンタルは
ホントにひどいもんでした。

街で肩がぶつかったりしただけで
無性にイライラしたりとか、

嫌なことがあると丸1日そのことに囚われて
何も手につかなくなる日もあったり。

ネガティブな感情にすぐにのまれてしまうし
そこからなかなか切り替えられない。

自分はダメな人間だーと思うようになり
自己嫌悪&人間不信のコンボをきめる。

正常なメンタルがわからないくらい
症状は慢性化してしまってました。

人類は600万年にわたって狩猟採集生活を続けてきた

古代の狩猟採集民は、

自然の中でおりゃー!と狩りをして
太陽の動きとともに生活し
少数の仲間たちと暮らしていました。

とにかく目の前の獲物を狩り
自然の脅威から身を守り
たべて生きていくことに集中していました。

そんな時代が600万年も続いたわけなので
僕ら人類の体や脳のプログラムは
古代の環境に最適化されています。

ほんの数千年しか経っていない
現代の環境には、

完全にミスマッチなプログラムなわけです。

猛獣や他の部族からの襲撃など、

古代の特有の環境に適応するために
危機を察知するアラーム機能として働いたのが、

脳の扁桃体というところから生まれる
「不安」という感情です。

「あの草むらの向こうに猛獣がいるのでは??」

「この木の実はもしかして毒があるのでは??」

というように、

「不安」という感情は、

「よろこび」や「たのしさ」などの
ポジティブな感情よりも、

生き残るために役に立ってきたんですね。

古代の狩猟採集民はそんな、

『いまここ』

に生きることの連続で
未来という感覚がありません。
(アフリカや一部の民族にも未来の感覚はないらしい)

でも僕ら現代人にとっては
未来は遠すぎてぼんやりとしています。

いまここに集中しなくても
なんとなく生きていけちゃいますからね。

現代はとにかく情報量が多くて
スマホが視界に入っているだけでも、

脳の扁桃体は常に
スイッチオンの状態になっています。

未来に複数の可能性があるせいで
将来のイメージがブレてしまい
自己同一性が生まれにくくなる。

(自分が何者かよくわからなくなっちゃうってことです)

この「ぼんやりとした不安」は
記憶力を低下させて
理性的な判断力を奪って
死期を早めるといいます。

おそろしや。。

現代の人たちは常にこの
「ぼんやりとした不安」を抱えて生きている。

これがヤバいんですよ。

なんでかっていうと
ぼんやりしてるが故に、

『自覚症状があんまりない』からです。

微熱の風邪のように
「なんだか調子が悪い」という謎の不調。

これは弱火でフツフツ燃えるような
脳の炎症です。

炎症は脳にダメージを与え
セロトニンやドーパミンなどの
脳内ホルモンのバランスを崩します。

これが悪化すると、うつ病になったりする。

(※ちなみに抗うつ剤っていうのは、脳内ホルモンを調整する作用があるものです)

なので、

この「ぼんやりとした不安」のサイクルを
断ち切らなくちゃいけません。

僕らは未来に対する価値観やイメージが
いろいろありすぎるから
未来が定まらない。

迷ったら曖昧になりますよね。

でも価値観がひとつに絞れれば
『いまここ』に未来がつながって
道筋がはっきりする。

だから人生の目的を持って
自分の価値観に沿って生きることが
とても大切なのです。が、

人生の目的がはっきりしている人って
果たしてどれだけいるんですかね。

僕はまったくわからなかったんですよね。

人生の目的なんて。

ただなんとなく日々をやり過ごしていたので、

まあ見事に
ぼんやりとした不安を抱えていました。

でも、

あるとき自己省察っていうのをやったのが
自分の価値観を知るきっかけになりました。

「自己を省みて察する」

で、『自己省察』です。

自分の過去のこととか
いろんな出来事やそのとき抱いた感情とか
人生の終わりにどうなりたいかとか、

そういうのをぜーんぶ紙に書き出してみる
っていうやつです。

あたまの中にあることを取り出して
客観的に見つめる
認知行動療法みたいなものです。

これはもしまだやったことがなければ
一度やってみることを本当におすすめします。

僕はこれをやらなかったら
自分自身の半分は無意識のまま
埋もれたままだっただろうなと思います。

書き出すことで、自分の無意識を
意識化することができました。

無意識の思考に気がつくだけでストレスは減る

ストレスに対処するためには
ストレスにちゃんと気がついて、

「いまイラッとしたな」とか、

「いま不安な気持ちになってるな」

っていうふうに、

感情を客観的に眺めてみることが
大事なんだってわかりました。

客観的に意識することそのものが
ストレスを下げるんですよね。

ストレスの反応は人によってちがうので
この方法がベストというのはないと思います。

なので、

たくさんのストレス解消法を
持っておくことが大事になる。

たとえば不快なことがあったら、

好きな音楽を1曲聴く
チョコを一粒たべる
目を瞑って深呼吸する

みたいに、

何でもいいからスマホや紙のメモに書いておいて
ゲームの『アイテム』や『スキル』
のように持ち歩く。

ストレス解消法(コーピング・レパートリー)は
リストアップするだけで癒し効果があるから、
たのしんで考えるといいですよ。

それで、ストレスを感じたら
アイテムリストから選んで使ってみる。

どんなストレスに対して
どのアイテムを使ったら
何点の効果があったのか?

使ってみたアイテムの効果を
10点満点で記録しておくと効果的。

ストレスから目を背けたり
反発しようとするんじゃなくて、

状況を受け入れて
むしろアイテムを使うチャンスをたのしむ
くらいの気持ちで立ち向かうと、

ストレス対策に
ゲーム感覚で取り組めます。

ストレスは経験値を稼がせてくれる相手。

トレーニングを続ければメンタルは育つ。

レベルアップのために
コツコツと経験値をためていくイメージです。

ネガティブな思考とか感情を
客観的に捉えなおす癖をつけて
他人事のように見つめる練習を
僕もしてます。

「自分はいつも失敗しちゃうなあ」
「いつもあいつが邪魔をする」
「あの人は私を嫌っているに違いない」
「自分はダメな人間だ。。」
「こんな事もできないのは恥ずかしい人間だ」

のような反射的な決めつけは、

長年の習慣で身についた脳の癖。

これも、

無意識の思考に気がついて
記録していくことで癖がわかります。

エクスプレッシブ・ライティングをすることで、

(※認知行動療法のひとつ。ネガティブな出来事にあったときの感情や思考を包み隠さず書き記すこと)

被験者の幸福感が高まり
ネガティブな感情が減った
という結果が数々の研究により出ています。

なぜこういう効果が出るのかというと、

心配事をいったん棚卸しできるから
なんですね。

(無意識のマルチタスクから開放される)

そうすると認知リソースが開放されて
脳を効率良く使えるようになります。

エクスプレッシブ・ライティングは
1日20分を4日間続けてみることが
効果を出すために推奨されています。

自然とのふれあいは確実に人体の副交感神経を活性化させる

副交感神経っていうのは
気持ちが穏やかな時に働き出す自律神経で、

日中に溜まった疲れやダメージを
回復させる働きを持っています。

自然の環境は、

以下の3つの感情システムを
バランスよく刺激します。

『興奮』→「よろこび」や「快楽」などのポジティブな感情をつくり、獲物や食事を探すためのモチベーションを生み出すシステム(おもにドーパミンで制御されている)

『満足』→「安らぎ」や「親切心」といったポジティブな感情をつくり、同じ種族とのコミュニケーションに役立つシステム(オキシトシンなどで制御されている)

『脅威』→「不安」や「警戒」といったネガティブな感情をつくり、外敵や危険から身を守るためのシステム(アドレナリンやコルチゾールなどで制御されている)

草木の変化が程よい興奮を生んで、

緑に守られる安心感が心地好い安らぎを生んで、

森や川に潜む未知の脅威が、時に警戒を生む。

こんなふうに、

自然の中では
特定のシステムが暴走することがないんです。

でも都市の暮らしでは、

「興奮」や「脅威」のシステムだけが
活性化しやすい。

だから「自然」が大事なんですね。

近くに公園などの自然がない場合
自然の「音」や「画像」も効果あるみたいです。

あとは観葉植物を部屋におくこと。

観葉植物には、

幸福度を47%アップさせたり
集中力を38%アップさせる効果があるという
実験結果もあります。

(心理学の世界では「注意回復理論」っていいます)

たとえば僕は部屋にポトスという観葉植物を
置いているのですが、

ポトスはホルムアルデヒドなどの
大気中の有機化合物を吸い取る作用があるので
空気清浄効果もあるんです。

まあでももし
近くに公園があるのであれば、

なるべく自然に触れにいったほうがいいですよ。

公園に行けば行くほど心と体は改善するっていう
相関関係があるみたいです。

週に1回30分ほど公園など自然の中に行くと
うつ病の発症リスクが37%も低下する
っていう実験結果もあるくらいですからね。

自然の大気には
大量の微生物が含まれていて、

空気中で代謝と増殖をくり返してるんですよ。

だから自然の中に行くと
呼吸器からその微生物が体内に入って、

腸へ向かって
免疫システムに影響を与えて
腸内環境がよくなるんです。

あとは他にも効果があって、

メラトニンという
自然な睡眠に誘うホルモンがあるんですが

自然に触れるほど
そのメラトニンが増加します。

そうすると睡眠の質がめっちゃ上がります。

ちなみに、

平均睡眠時間が1日7〜9時間
の範囲を大きく逸脱すると、

体内の炎症が激増するらしいです。

睡眠は、少なすぎても多すぎても
ダメってことですね。

日中、

太陽光を浴びる時間をできるだけ増やして
夜は限界まで暗くすることで
入眠がスムーズになります。

狩猟採集民も
睡眠時間は同じくらいだったけど、

日暮れから3時間後には眠って
毎朝7時には自然と目を覚ましていた。

その頃は「不眠」とか「寝不足」という概念が
存在しなかったんですね。

ウォーキングも
自律神経の働きを向上させるので、

『森の散歩』はある意味最強ですね。

SMILES(メンタルを強くする食事法)

現代人は、

食料の大量生産と価格の低下によって、

かつてないレベルの
カロリー摂取をしています。

カロリーが多いと皮下脂肪になって
皮下脂肪が多すぎると『炎症』になります。

内臓脂肪はジワジワ燃え続けて
慢性的な体の炎症(ダメージ)になる。

内臓脂肪は体にとって異物でしかないので
動脈硬化や脳梗塞の引き金にもなるんです。

これはヤバい。

安価で保管が簡単な
パンや揚げ物などには、

トランス脂肪酸が使われています。

(植物油に水素を付加して作られた人工の油)

総摂取カロリーのうち
ほんの1%がトランス脂肪酸になっただけで、

悪玉コレステロールが激増します。

古代にはなかったトランス脂肪酸は、

人類にとって新しすぎて
肝臓がパニックを起こしてしまうんですね。

摂取量が多いほど
体内の炎症レベルが高くなります。

以下に普段の食事で取り入れるべき
メンタルにいい食材の選び方をあげておきます。

多いほど高得点な食事

野菜・フルーツ・脂肪分の少ない肉・魚介類・ナッツ・食物繊維の多い食品

少ないほど高得点な食事

加工肉・塩分・菓子類・ジャンクフード・砂糖入りの清涼飲料水・酒

(全粒粉でない)精製された炭水化物(※白米は食物繊維が十分じゃない)

ケーキ、スナック、クッキー、アイスクリーム(メンタル悪化につながる)

カカオ70%以上のダークチョコレートなら1日ひとかけらまでOK

精製油は製造の過程で活性酸素が発生する。

揚げ物は酸化した油で
体内に炎症を起こす作用が大きいので、

酸化ストレスが脳にダメージを与え
脳機能の低下を引き起こします。

ジャンクフードなどは完全に撤廃しましょう。
メンタルが悪化します。

飲み物は
お茶やブラックコーヒーにするといいです。

適量なほど高得点な食事

牛乳やヨーグルト(1日480mlくらい)・チーズ(1日80〜120gくらい)・オリーブオイル(小さじ3杯)・卵(週に6個くらい)

ジャンクフードをやめて
野菜と魚を増やせば、

3か月でストレスに強い心に生まれ変わります。

地中海の伝統食で
ストレスに強いメンタルが手に入り、

記憶力や集中力まで向上する。

栄養のアンバランスによる
脳機能の低下を食い止めないと、

メンタルはいつまでも打たれ弱いままです。

たべるものを見直したいですね。

「孤独」も現代的な現象

タバコや肥満と同じくらい
全身に炎症を起こし、

早死にのリスクを高めるのが

『孤独』です。

古代の狩猟採集民は、

たいていの部族は
100人前後のユニットで行動し、

生まれてから死ぬまで
コミュニティのサイズはほとんど
変化しませんでした。

食事も睡眠も、常に仲間たちと一緒でした。

だから孤独とは無縁だったんですね。

だけどいまはインターネット上でも
コミュニケーションがとれるし、

孤独でも生活できてしまうような
環境があります。

メリットもあればデメリットもありますよね。

僕らは困った時に頼る相手がいないと
記憶力が低下し始めます。

逆に、

孤独だった人に友人ができると
寿命が延びるという研究結果もあるんです。

さいごに

ここまで見てきたように、

ほとんどのストレスの原因は
結局は自分の「脳の癖」が生み出しているもの。

最初に感じる、

『第一の矢』は避けられないけれど、

それをどう解釈するかという、

『第二の矢』は自分で悪化させない限り、

捉え方次第で痛みは消えていきます。

「緊張」と「興奮」は、

人体の反応としては同じなんだそうです。

だから緊張や不安を感じたら、

「たのしくなってきた!」

「興奮してきた!」

と解釈を変えてしまえばいい。

自分の感情は
自分の言葉で再構築できるってことです。

「なんだこいつムカつくな」と思ったら

「なにか悪いことがあったのかもしれない」

と捉え直してみる。

この解釈を変えられる力を

『リアプレイザル』

といいます。

最大の敵は自分。

ここまであげてきた対策をつかって、

ストレスを乗り越えることに
役立ててくれたらうれしいです。

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